盗塁の有効性

草野球では走者を次の塁へ進めるのに大抵の場合はバントよりも盗塁の方が有効だと思います。

それは、守備側から考えると盗塁を刺すというのは、投手がクイックモーションで投げられる+捕手の正確で速いスローイングと肩の強さ+送球を受ける二塁手(遊撃手)のキャッチングと素早いタッチの技術、といった草野球としてはかなり高度なレベルを求められるプレイのために成功率が低い・・・つまり盗塁の成功率は高くなります。

もちろんレベルの高いチーム相手ではバッテリーもしっかりしていますから簡単には盗塁できませんが、ある程度足の有る走者の場合は盗塁を試みる価値は有ると思います。

では、具体的にどのくらいのレベルのバッテリー相手なら、どのくらいの足の有る走者なら盗塁が成功したり失敗したりするのかを2塁への盗塁について考えて見ましょう。

◎バッテリーのレベル(投手がモーションに入ってから捕手からの送球が2塁まで到達する時間)

S級 3.3秒以下(プロ並みというか走らないほうが吉)
A級 3.3~3.6秒(草野球ではバンバン盗塁を刺せるレベル)
B級 3.6~4.0秒(足の速い走者だと5分5分か?)
C級 4.0~4.5秒(足の遅い走者なら刺せるかも?)
D級 4.5秒以上(ほとんどの走者がフリーで二塁に行きます)

これの時間の内訳ですが、草野球の投手のクイックは大体1秒前後ですごく速い人で0.8秒くらいですかね。草野球ではクイックで投げられない投手も多いので1.5秒~2秒近くの場合も有ります。
で、投手からキャッチャーまで投球が届くのが0.5秒~0.6秒、捕手がキャッチして2塁までボールが届くのが2.0秒~2.5秒くらいですかね。
まぁ、この秒数なんかは自分が今まで自チームや相手チームのバッテリーの秒数をストップウォッチ片手に実測して経験的に把握している草野球的なタイムです。プロ野球や高校野球なんかは硬式ボールで球速も有るのでもう少し速いはずです。

◎走者が二塁へ到達するタイム(リードを取った位置からスタートして2塁に滑り込むまでのタイム)

S級 3.0秒以下(韋駄天レベル、ほぼ刺せないでしょう)
A級 3.0~3.4秒(草野球では走りたい放題でしょう)
B級 3.4~3.8秒(レベルの高いバッテリーだと刺されるかも)
C級 3.8~4.3秒(普通の草野球レベルの走者ですね)
D級 4.3秒以上(無理して盗塁を狙わない方が良いかも?)

さて走者がスタートして二塁に到達する時間ですが、盗塁が成功するかどうかはリードの大きさや加速の早さやトップスピードやスライディングの上手い下手等これもいろんな要素が有るので、ここでは単純にストップウォッチで計測した値で考えました。
S級やA級に分類される走者は恐らく100m走のタイムなんかも普通に速い人だと思いますが、走塁に関しては100m走等は速くても盗塁は遅い草野球選手はたくさんいますし、逆に駆けっこは遅いのに盗塁が上手い人もけっこういます。
B級やC級の人は投手のモーションを盗んだり度胸次第のギャンブルスタートで盗塁の成功率が上がるかも知れないし盗塁の技術を上げることが大切なレベルだと思います。
D級の走者は・・・かなり厳しいですね(笑)

よく毎回の投球練習での相手チームの捕手のセカンド送球を見て走れるとか走れないとか言っている草野球チームが有りますが盗塁を刺すのに必要な要素で捕手の肩はその一部ににしか過ぎません。大切なのは投手がクイックを使えるのか?捕手の送球までの動作に無駄が無いか?ベースカバーの野手は捕球・タッチが上手いか?そんなことを総合的に考えてチームとして誰は盗塁OKとか誰は自重しようとか考えましょう。

ちなみに三塁盗塁の場合はバッテリーの投球から三塁までボールが届く時間は0.3秒ずつくらい短くなりますが走者のリードも大きく取れる場合が多い(特に左投手の場合)のでその辺りも考慮に入れておきましょう。

草野球だと三盗はかなりの確立で成功するのと、捕手の送球が逸れたり三塁手がキャッチが下手だと外野やファールグランドにボールが転がり得点できる場合もけっこう有るのでケースによっては思い切ってやってみるのも作戦的には有りです。

いずれにせよ草野球では相手のバッテリーの力量と自チームの走者の能力をきちんと把握できれば盗塁の成功率はかなり高くなるのでとても有効な戦術だと思います

戦術
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